活動レポート
activity report
2021
11.09令和3年度真言宗御室派青年教師会オンライン研修会
於:オンライン
11月9日、コロナ終息が見通せないことから、対面形式を避け令和3年度真言宗御室派⻘年教師会オンライン研修会を開催しました。研修では、グリーフケアについての講義のほか、参加者同士で傾聴を行うワークショップも実施されました。
2021
11.09令和3年度真言宗御室派青年教師会オンライン研修会
於:オンライン
11月9日、コロナ終息が見通せないことから、対面形式を避け令和3年度真言宗御室派⻘年教師会オンライン研修会を開催しました。研修では、グリーフケアについての講義のほか、参加者同士で傾聴を行うワークショップも実施されました。
グリーフケアを学んで
備中 寳生院 石原澄明十一月九日に行われた、真言宗御室派青年教師会、令和三年度の研修会に参加させていただきました。この度の研修会はオンラインにて、講師に一般社団法人リヴオン代表理事の尾角光美氏をお迎えし「今、死別に向き合うお寺と僧侶の力」という演題のもと、前半はグリーフケアについて学び、後半はグループに分かれワークショップを体験しました。恥ずかしながら、グリーフケアという言葉の意味もよく理解しておらず、「グリーフ」という言葉には、「死別の悲しみ」のみならず、引っ越しや、離職、離婚など広い意味がある事、そして「グリーフ」の「ケア」に決して正解がない事を、研修会を通して学びました。後半のワークショップでは僧侶役、遺族役、観察者と三人一組に分かれロールプレイを行いましたが、とても難しく、特に僧侶役では与えられた七分間がとても長く感じ、心が疲弊しました。電話形式のロールプレイであった為、「沈黙」を避けようと必死になってしまっていた私は、ワークショップ後に講師先生が仰った「『沈黙は有なり』沈黙はその方が自分の気持ちに向き合う時間で価値あるものですよ。」という言葉がとても印象に残りました。そして講師先生は「亡き人の共有ができる場がお盆だったり、年忌法要だったり、お逮夜参りだったりします。その場で「仏教的なメッセージ」や「私個人のメッセージ」をお伝えできるのも僧侶の力ですよ」とも仰っていました。近年、当家と講や親族との関わりが疎遠となり、また、仏事の簡略化により、本来、宗教儀礼が担っていたグリーフケアの場が無くなってきている様に思います。宗教者の役割について改めて考えるよい機会になりました。
喪の旅の伴走者として
徳島 真光寺 平山大智去る十一月九日、真言宗御室派青年教師会研修会に参加させていただきました。講師に一般社団法人リヴオン代表理事である尾角光美先生をお迎えし、「今、死別に向き合うお寺と僧侶の力」という演題でご講演賜りました。我々僧侶にとって大切な人と死別した方と接する機会は必ずあります。長い間介護してきた夫との別れ。心を病み自殺した我が子との別れ。死別には様々なケースがあり、悲しみ方も多様なものであると私の短い僧侶人生の中でも実感しておりました。しかし、私を含め、実際の場面でどのように話せば良いのか、どのように対応すれば良いのか、わからない僧侶は多いと思います。今回の講演では実際に二人一組や三人一組になり、僧侶役、相談者役でロールプレイを体験させていただくことで「聴く」と「対話」の大切さを学ぶことができました。何分アナログ僧侶なもので、オンラインでの進行に戸惑う場面もありましたが、自身が相談者役を経験できたことで目を見て頷きながら聞いてもらえるだけでも安心感を与えることができることを知りました。以前の研修会において尾角先生のグリーフケアの話を知り、兼ねてよりこのテーマについて強く関心を抱いておりました。今回の研修会で再びご講演頂けたのは大変ありがたく感じ、有意義な物になったと感じております。グリーフケアには正解もマニュアルもなく、様々なケースに対応するのは難しいことではありますが、今回の研修会で一歩前進できたと感じております。未だコロナウィルスが日本中、世界中で猛威を奮っており、人々の繋がりがより一層希薄化し、「死者の共有」ができる人も少なくなってきている中で、「喪の旅の伴走者」としてグリーフケアの場所や機会を提供していきたいと考えております。