僧侶の皆様は日ごろ壇務や法務でお忙しくされていることと思います。特に我々はお経を唱えるだけでなく、いろいろな方の相談なども受け、場合によっては苦しい心の内を打ち明けられ受け手である我々も心苦しい思いを感じることもしばしば起こります。その時に我々は僧侶としていかに真摯に向き合えるかが大事ではないでしょうか。しかしながらいくら我々も修行道場を経て自坊で研鑽してきたとはいえ、そういった心に寄り添っていけば我々の心も疲弊してきます。疲弊した心では正しい教えも見えにくく、ましてや心から向き合えるのは難しいのではないでしょうか。我々は我々自身、相手を受け止める大きな心の器をもって、その悩みや不安に向き合わなければなりません。
そんな中私は体を動かすこと、体の調子を整えることで心のバランスをコントロールしております。体を整えることで心を精神的に整えることを実感し、それを生活習慣に取り組んでおります。私が実践しているのはブラジリアン柔術とサウナの二本柱です。ブラジリアン柔術というのは寝技の格闘技です。日本の柔道家がブラジルに渡り、より実践的な格闘技に進化させたハイブリッドな競技です。その当時は最強と言われグレイシー柔術として日本でも有名になりました。今ではその安全性と実用性から女性や子供にも普及し競技人口も増えつつあります。私は週に3,4日ほど道場に通い、競技に没頭します。すると体が丈夫になり心の器も広くなったように感じます。また普段の自分から離れて汗をかくことで非常にリフレッシュを出来ております。
そしてそのあとの楽しみがサウナです。京都市内には約100件の銭湯があり、そのサウナを巡ります。サウナはフィンランド発祥でそのリラクゼーション効果が高く近年都内を中心に若者に人気が出てきております。サウナの後、水風呂に入り外気浴をすることは温冷交代浴といわれ、自律神経の働きにより非常に心地良くなります。最近のサウナ界ではこれを「ととのう」と呼びあいます。ととのった後は心がリセットされたかのような気持ちよさで感覚がすっきりします。
私はこれらを実践し、日々心のバランスをコントロールしております。皆様それぞれの環境で生活しておられます。その中で実践できる事をして頂いて、心を穏やかに保つ生活をしていかれてはいかがでしょうか。ハツラツとした姿があってこそ皆様から頼られる存在になれると私は思います。心のバランスを中道にするために私はこのような事を実践しております。皆様はどうやって実践しておられますか?