会員研鑽ノート

column

お十夜法要について

長福寺  兵庫支所  土口 丈和  41歳 

僧侶歴:14年

2023.02.09 update.

私の地元では例年11月23日(勤労感謝の日)に、十夜(じゅうや)と呼ばれる行事があります。檀徒の皆さんとともにお勤めで御詠歌をお唱えし、その後自分たちで料理をした炊き込みご飯をいただきます。
密教学院を卒業し、自坊に帰ったその年、檀家さんから「おおっさん(住職、お坊さんはこのように呼ばれています)、そもそも十夜って何なん?」と聞かれ、全く答えられませんでした。調べてみると、浄土宗や天台宗で行われるお講で、仏恩報謝と収穫感謝の為、十日にわたってお念仏をされるようです。
私のお寺の周りは皆さん農家です。収穫感謝の意味合いが強く、地域性によるものだと思っています。自然の恵みに感謝し、互いに一年の労苦をねぎらいながら美味しい新米をいただいております。
宗派の教えによる法要も勿論ありますが、その土地の風習ならでは、というものもあります。青年教師会での交流にて、是非様々な慣習や考え方を知りたいなと思っています。